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1年間に読んだ本/見た映画・演劇の合計が108になるといいなあ、という日記。

【フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊】

ウェス アンダーソンの最新作というだけで見にいく理由は十分なのだが、初見ではとにかく情報量が多すぎた。圧倒的な画面の構成力、英仏まじりのセリフ、ちりばめられた名画からの引用、とくに俳優がフランス語を話すシーンでは、タイプライター風のフランス…

ベイビー ドライバー

素晴らしいカーアクション。歌詞の内容とストーリーがリンクしているはずなのだが、完全に理解できなかったのが悲しい(歌詞の字幕がない!)最後に明かされる主人公の名前は、マイケル・フランクスの小唄からなのか?こちらもあんまり理解が及ばなかったの…

真夏の夜のジャズ

アメリカ・ジャズ界最大の音楽フェスティバル「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」を捉えたドキュメンタリー。1958年に開催された第5回の同フェスティバルを記録した。「ジャズの父」とも呼ばれる20世紀を代表するジャズミュージシャンのルイ・アームス…

DO THE RIGHT THING

その夏一番の暑さを記録したブルックリン、住民たちの潜在的な怒りが遂に爆発する!鬼才スパイク・リー衝撃の問題作!!【キャスト】ダニー・アイエロ/オジー・デイヴィス/ルビー・ディー/リチャード・エドソン【スタッフ】監督:スパイク・リー制作年:1989年 ス…

『パラサイトー半地下の家族』

「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。第92回アカデミー賞でも外国語映画として史上初とな…

『憂鬱と官能を教えた学校ー【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 調律、調性および旋律・和声 』

近代文化史ーとくにアメリカーを通して見る、ポピュラー音楽文化の生成と発展を縦軸に、音韻論(バークリーメソッド)を横軸に、われわれが心地よさを感じている音楽とはどのような構造によって成り立っているのかを優しく語っていく。鍵盤必須。ブラスバン…

國分功一郎『中動態の世界ー意志と責任の考古学』

久々に興奮した読書となった。2017年の話題の本で、友達に勧められたりしていたのだけれど、忙しさにかまけてまったく読むことができていなかった。内容としては、前著『暇と退屈の倫理学』を引き継ぐ形になっている。自分が学部時代から院生時代にかけて取…

千葉雅也『勉強の哲学』

薄氷の殺人

2014年・第64回ベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞と男優賞をダブル受賞したクライムサスペンス。中国北部の地方都市を舞台に、元刑事の男が未解決の猟奇殺人事件の真相に迫っていく姿をスリリングかつリアルに描いた。「こころの湯」の脚本などでも知られ…

テリー・ギリアムのドン・キホーテードン・キホーテを殺した男ー

テリー・ギリアムのドン・キホーテ ードン・キホーテを殺した男ー この映画が完成するまでの紆余曲折については、それこそ、すでに作品化されているドキュメンタリー『ロスト・イン・デ・ラ・マンチャ』や、諸々の解説書ーすでに膨大な数となっているーを参…

『サイゴン・クチュール』

クリスマスの夜、因業実業家のスクルージは、三人の精霊に出会って「過去」「現在」「未来」の実相を目の当たりにし、改心して健全な生き方を取り戻すーー使い古された物語の定型かもしれないが、主人公の成長譚としてはやはり効果的であると思った。『サイ…

『COLUMBUS』

インディアナ州コロンバスを舞台に、その街の近代建築を通じて葛藤し、一方は可能性ゆえ街を出、一方は過去と向き合うべく街に残る。 寡聞にして知らなかったが、コロンバスはミッドセンチュリー・アメリカの近代建築の一大拠点となっていて、それが大きな観…

『ロング デイズ ジャーニー この夜の涯てへ』

2000年、父と友人の死をきっかけに、中国貴州省の片田舎「凱里」に戻ってきた男と、友人の死のきっかけとなったマフィアの情婦の二人の物語を中心に、あらゆる場面、あらゆる舞台、あらゆる装置が伏線となり、物語がツイストしていく。ラスト60分、3Dかつワ…

『パリの恋人たち』

苦甘のフレンチ・コント。と、数語によってこの映画の説明は終わる、小さな文芸作品である。原題は ”L’homme Fidele”、すなわち「忠実な男」。 見所はリリー・ローズ・デップの猫のような姿態と、主演マリアンヌ役のレティシア・カスタの異様なまでに美しい…

『21世紀の資本』

21世紀の資本 当邦においても大きく話題となった経済書『21世紀の資本』の映画化。脚本監修のみならず、主要な出演者の一人としても、著者のトマ・ピケティが深く携わった本作は、学術書のドキュメンタリー映像作品として、書籍以上に人口に膾炙するところと…

和田誠『快盗ルビイ』 大瀧詠一作曲のテーマ曲に惹かれて観た一本。 朝食を食べる冴えない男の背景、窓の外を大きなハンフリー・ボガードのポスターが持ち上がっていく。 食料品店の下見にしぶしぶ行くシーンでは、わざとカメラを手持ちにして、微妙な揺れを…

三池崇史『十三人の刺客』 稲垣吾郎演じる暴君、松平斉韶の悪虐の限りが凄まじい。「SMAPのゴローちゃん」が演じる役としては、あるいは、どういう役者が演じる役としても、ここまで振り切った暴君ぶりというのは珍しいかもしれない。とにかく悪い。考えうる…

森達也『FAKE』 2014年、本邦における最大の話題・関心事といえば、佐村河内問題であった。今にして思えば、牧歌的な時代であった。と懐古すると同時に、真実/虚偽の対立構造を際立たせたという点で、2017年現在の社会を先取りしていた、と言えるかもしれな…

『キングズマン』 『キックアス』シリーズのマシュー・ヴォーン監督の最新作である。『キックアス1』では爽快であった自警組織だが、『キックアス2』にいたって、それは、アメリカ式の善意の押し付け以上の、はた迷惑な、あまりにはた迷惑にすぎる(それはし…

『ミッションインポッシブル ローグネイション』 「ならずもの国家」が何を指しているのかは、映画を見れば明々白々である。かつてのスパイ映画は「巨悪」を設定し、先進国の諜報員がそれを誅滅するという筋であったが、その構図は、21世紀の現在ではほとん…

2/2017 キックアス・ジャスティスフォーエバー

『キックアスージャスティスフォーエバー』 キックアスは、父親が死ぬ物語だ。 前作ではヒットガールの父親が死に、今作ではキックアスの「父」が死ぬ。 「父が死んだあとのアメリカ」はしばしば映画の題材となるが、本作はその変奏のひとつだと言ってもいい…

1/2017『リップヴァンウィンクルの花嫁』

黒木華の歌が、COCCOの踊りが、良かった。もっともっと黒木華の歌がききたい。90年代から00年代にかけて、岩井俊二の映画が放っていたきらめきは、当時中高生だった自分にとっては特別だった。『リリイシュシュのすべて』を見るために、外出禁止だった寮をぬ…

2、『グランド・ブダペスト・ホテル』

ウェス・アンダーソン監督最新作。見た目の可愛らしさは従来の作品を踏襲していますが、なかみはこれまでとはちょっと違います。本作までは家族のはなしばっかり撮ってきた監督が、初めて「国家と個人」というような大きなテーマについて語りはじめた。これ…

1、『THE GOAL (コミック版)』

1冊目がマンガで情けないですが、仕方ないですね。 田舎のTSUTAYAでもビジネス書ランキングでトップテン入りという売れようです。 マンガは強いですね。 原著(の和訳)は去年すでに読んでいました。 流体力学に根ざした経営理論であるTOC(Theory of Cnstr…

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できるかなあー、、 365日で合計108の本・映画・演劇に触れることができるのか、というブログです。 365÷108=3.37。3日で1つのペースですね。早くも10日が過ぎようとしています。 3冊、読んでない、、、 3本、観てない、、、 早いうちに取り返せますように、…