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1年間に読んだ本/見た映画・演劇の合計が108になるといいなあ、という日記。

2/2017 キックアス・ジャスティスフォーエバー

『キックアスージャスティスフォーエバー』

 

キックアスは、父親が死ぬ物語だ。

 

前作ではヒットガールの父親が死に、今作ではキックアスの「父」が死ぬ。

「父が死んだあとのアメリカ」はしばしば映画の題材となるが、本作はその変奏のひとつだと言ってもいいだろう。

 

っていうか、アメリカ人ってどんだけ「正義」が好きなの?

 

われわれから見れば、不良同士の乱闘にしか見えないし、「正義」を語る側も徒党を組んで「自衛」という名の暴力行為(しかもそれはあきらかにやりすぎている、)を繰り返すだけの、悪のバリエーションの一つでしかない。「正義」を行使したいという気持ちあでは否定しないけど、それが正義かどうかを決定する権利は、君たちにはないよ。と言いたくなる。

 

父が死に、父に与えられたアイデンティティを生きようとするヒットガールは、しかし、町からいなくなることを余儀なくされる。それは何を示しているのか。

 

以前であれば笑って観て、バイクにまたがって疾走するヒットガールに爽快感を覚えられたかもしれないが、「ポスト真実」、トランプ大統領時代を生きる我々にとっては、本作のラストの疾駆は苦々しいとしか言いようのない感覚を与えるものである。