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1年間に読んだ本/見た映画・演劇の合計が108になるといいなあ、という日記。

2017-01-01から1年間の記事一覧

和田誠『快盗ルビイ』 大瀧詠一作曲のテーマ曲に惹かれて観た一本。 朝食を食べる冴えない男の背景、窓の外を大きなハンフリー・ボガードのポスターが持ち上がっていく。 食料品店の下見にしぶしぶ行くシーンでは、わざとカメラを手持ちにして、微妙な揺れを…

三池崇史『十三人の刺客』 稲垣吾郎演じる暴君、松平斉韶の悪虐の限りが凄まじい。「SMAPのゴローちゃん」が演じる役としては、あるいは、どういう役者が演じる役としても、ここまで振り切った暴君ぶりというのは珍しいかもしれない。とにかく悪い。考えうる…

森達也『FAKE』 2014年、本邦における最大の話題・関心事といえば、佐村河内問題であった。今にして思えば、牧歌的な時代であった。と懐古すると同時に、真実/虚偽の対立構造を際立たせたという点で、2017年現在の社会を先取りしていた、と言えるかもしれな…

『キングズマン』 『キックアス』シリーズのマシュー・ヴォーン監督の最新作である。『キックアス1』では爽快であった自警組織だが、『キックアス2』にいたって、それは、アメリカ式の善意の押し付け以上の、はた迷惑な、あまりにはた迷惑にすぎる(それはし…

『ミッションインポッシブル ローグネイション』 「ならずもの国家」が何を指しているのかは、映画を見れば明々白々である。かつてのスパイ映画は「巨悪」を設定し、先進国の諜報員がそれを誅滅するという筋であったが、その構図は、21世紀の現在ではほとん…

2/2017 キックアス・ジャスティスフォーエバー

『キックアスージャスティスフォーエバー』 キックアスは、父親が死ぬ物語だ。 前作ではヒットガールの父親が死に、今作ではキックアスの「父」が死ぬ。 「父が死んだあとのアメリカ」はしばしば映画の題材となるが、本作はその変奏のひとつだと言ってもいい…

1/2017『リップヴァンウィンクルの花嫁』

黒木華の歌が、COCCOの踊りが、良かった。もっともっと黒木華の歌がききたい。90年代から00年代にかけて、岩井俊二の映画が放っていたきらめきは、当時中高生だった自分にとっては特別だった。『リリイシュシュのすべて』を見るために、外出禁止だった寮をぬ…